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空き家にも固定資産税がかかります。
特に何の活用もしていない空き家に対して税金を払うのは、正直嫌なものですよね?
空き家を放っておくと、固定資産税が6倍になるリスクもあります。
この記事では、
- 固定資産税が上がる原因
- 固定資産税を減らす方法
- 固定資産税を払わなくて済む方法
などをご紹介します。
あなたの空き家管理の参考になればうれしいです(^^)
空き家にも固定資産税はかかる
空き家の管理維持費のうち最も高いのは固定資産税と言えるでしょう。
空き家管理費用全体の20~50%が固定資産税です。
空き家であっても当然固定資産税はかかります。
固定資産税は固定資産評価額の1.4%が税額です。
土地に戸建てが建っていれば固定資産税は1/6に減税されます。
ちなみに、固定資産税だけではなく都市計画税もかかります。
都市計画税は固定資産評価額の0.3%で、土地に戸建てが建っていれば1/3に減税されます。
相続で空き家の実家を相続した人は、住んでもいない家の固定資産税を毎年払い続けています。
正直、かなり痛い出費ですよね。
空き家はなかなか希望の金額で売れるものでもありません。
よく「地方自治体に寄付したい」という人もいますが、自治体は寄付を受け付けてくれません。
固定資産税は市区町村の税収の4割を占める大きな税収です。
寄付なんかされてしまったら、大事な固定資産税が入らなくなってしまうため、地方自治体は空き家の寄付を受け付けないのです。
何とか売却したいと思い不動産業者に相談すると「家屋を解体して更地にした方が売れる可能性が高いですよ」と言われます。
解体費用がかかってしまいますし、土地の上に家屋がなくなると固定資産税が6倍、都市計画税が3倍に上がります。
いつ売れるかもわからない土地に対して、高額の固定資産税と都市計画税を払い続けるのはもっと大変です。
※そもそも、なぜ土地に家屋が建っていると固定資産税が1/6になるのかというと、昭和40年代に「もっと家を建ててもらおう」と国が住宅建築を後押しした名残りです。新築住宅建築市場は国の経済を左右する巨大産業だからです。
空き家の維持管理をしないと固定資産税が6倍に
空き家の維持費は固定資産税と都市計画税だけではありません。
誰も住んでいないとはいえ、庭の草むしり、樹木の剪定、室内の掃除や換気、シロアリ駆除など、空き家を維持するには税金以外の維持管理費用がかかります。
もちろん、労力と時間もかかります。
ですが、この「空き家管理」も3年が限界と言われています。
実家の空き家を相続したばかりのころは「思い出の詰まった実家だし、大変そうだけど何とか維持していこう」と考えるものですが、次第にきつくなってきます。
金銭的な限界、精神的な限界、肉体的な限界がやってきて、3年くらいで息切れする人がほとんどです。
そうなると、空き家は「放置された空き家」になり、どんどん荒廃が進みます。
あまりにも荒廃が進むと、行政から「特定空き家」と認定されます。
「特定空き家」とは、周辺住民や通行人に対して危険が及ぶ可能性のある空き家や、衛生上問題があり周辺住民の生活に支障をきたす空き家、安全管理や保安上問題のある空き家や、著しくの景観を損ねる空き家のことをいいます。
この「特定空き家」に認定されてしまうと、空き家対策特別措置法に基づき、固定資産税が6倍になってしまいます。
土地に家屋がある状態でも、です。
固定資産税1/6の特例と、都市計画税1/3の特例を受けられなくなり、税金が跳ね上がります。
これは空き家の所有者には手痛いですよね。
日本では空き家が増え続けています。
「土地の上に家屋が建っている限り固定資産税は1/6なんだから、ボロボロの空き家でも解体しなければ固定資産税は安いまま。放っておこう」と考える人は当然たくさんいます。
ただ、こうしたボロボロで危険な空き家は周辺住民に大変迷惑な存在になってきます。
- 風が強い日に瓦が飛んで隣家を損壊させた
- 外壁が崩れて通行人にケガをさせた
- 空き家の中に大量の虫とネズミがわいて、隣家にまでやってくる
- ネズミ、猫、イタチ、ハクビシン、鳥などの糞がたまり、近隣への臭いがひどい
- 動物の死骸が散乱しており、異臭を放っている
- ホームレスが住み着いていて、怖い
- 不良グループの喫煙所になっている
などです。
こうした空き家の隣には住みたくないですよね。
こうした空き家が日本中にあるのであれば、社会問題になるわけですし、国も動きます。
そのため「空き家対策特別措置法」が制定され、特定空き家の固定資産税は6倍、都市計画税は3倍に跳ね上がることになったのです。
特定空き家の認定基準
特定空き家に認定されてしまうと固定資産税が6倍、都市計画税が3倍に跳ね上がります。
特定空き家の認定基準をご紹介します。
ご自身の空き家は大丈夫でしょうか?
- 基礎の変形が起きている
- 土台の破損が見られる
- 柱が1/20以上傾いている
- 石綿などの有害物質の飛散
- ごみの放置
- 柱、梁、筋交いの複数の破損が見られる
- 屋根の変形、剥落、腐朽
- 看板、給湯設備の転倒、脱落、腐食
- バルコニー、塀、門の脱落、破損、腐朽
- 外壁の貫通穴、剥落
- 擁壁の破損、土砂の流出
- 軒の腐朽
- 軒、雨どいの垂れ下がり
以上のどれかに該当するものがあれば、特定空き家に認定される危険性があります。
行政の職員は定期的にこうした空き家を見ていますので、行政から連絡がきたら「特定空き家になる危険性がある」ということです。
ちなみに、一度特定空き家に認定されると固定資産税と都市計画税が上がりますが、きちんと修繕・改善して、行政に再度チェックをもらって「問題ない空き家」と認定されれば特定空き家ではなくなり、また固定資産税は1/6、都市計画税は1/3に下がります。
念のためお伝えしておくと、特定空き家になったのにそれでも放っておくと、行政が空き家の解体や修繕をします。
これを「行政代執行」といい、これにかかった費用は所有者に請求されます。
空き家の固定資産税を下げる方法
空き家の固定資産税を下げる方法があるのでご紹介しておきます。
固定資産税を節税するためには地目変更をねらいます。
固定資産税は、
- 宅地
- 雑種地
- 田
- 畑
- 原野
- 山林
の順で安くなっていきます。
宅地が一番固定資産税が高いということです。
例えば、宅地から雑種地に変更することができれば、固定資産税評価額は4~8割下がります。
田であれば8~9割、山林だと9割以上の評価減になります。
地目変更は、地目変更登記申請が必要で、法務局の登記官が現地調査をして判断されます。
では、宅地から何に地目変更するのが現実的なのか?
それは、宅地から雑種地への地目変更です。
これは比較的簡単です。
雑種地とは、資材置き場、駐車場、太陽光発電所などです。
空き家を撤去して、こうした用途に変更して地目変更登記申請をして認められれば完了です。
特定空き家に認定されそうであれば検討しても良いでしょう。
ただし、空き家の解体費用や駐車場にする費用などがかかりますので、費用対効果は慎重に計算してください。
ちなみに、田、畑、山林への地目変更は難しいです。
田、畑、山林は、継続的にその状態が続いている必要があります。
「20年はその状態を継続しないといけない」という説もあるため、非現実的ですね。
また、田・畑に地目変更すると農地法という厳しい法律が適用されます。
仮に、宅地を田・畑に地目変更したとして、その後再び農地を宅地に戻すことは非常に困難です。
農地を宅地に地目変更するには知事の許可が必要になります。
そのため、宅地を田・畑に地目変更することはおすすめしません。
固定資産税を0にする方法
固定資産税がかからないようにする方法もあります。
※ただし、全員ができるわけではありません。条件にはまらないと難しいです。
免税点を使う
固定資産税は「免税点」になれば税金がかかりません。
税金を徴収するにも手間と費用がかかります。
税額より徴収の費用が大きければ税金を徴収する意味がありません。
この損益分岐点を「免税点」といいます。
土地の免税点は固定資産税評価額で30万円未満、建物は20万円未満です。
例えば、100万円の評価額の土地を4人で保有していれば1人あたり25万円で、免税点未満のため、固定資産税はかかりません。
ただし、こうした「共有名義」は、土地を売却するときに共有名義者全員の同意がないと土地を売却できませんので、デメリットもあります。
また、土地を分筆する場合は数万~十数万円の費用がかかります。
空き家を建物でないものにしてしまう
固定資産税の「建物の定義」ですが、固定資産税の課税対象になる建物は「外気遮断性」が必要です。
つまり、建物の中と外を壁で分け隔てているのが「建物」です。
そのため、空き家の壁を取り払って柱と屋根と基礎だけにすれば建物の固定資産税はかかりません。
※ただし、土地の固定資産税は当然かかります。
しかし、壁を取り払う工事費用がかかるため、メリットがあるかどうかは慎重な検討が必要です。
相続のときに限定承認を使う
実家に空き家を相続するときに「限定承認」という方法をとることで、固定資産税を払わなくて済みます。
限定承認とはプラスの財産の範囲内でマイナスの財産(負債)も相続する方法です。
限定承認は相続人全員一致で行う必要があります。
※相続放棄は1人の相続人だけでもできます。
相続があったことを知ってから3ヶ月以内であれば可能です。
結局のところ、空き家を売却するのが一番
とまぁいろいろとお伝えしてきましたが、空き家の固定資産税を下げるもっとも良い方法は「売却」ではないかと思います。
もちろん「思い出の実家だから絶対売りたくない!」「先祖代々の土地を売るわけにはいかない!」など、売却したくない人が多いのも事実ですし、その気持ちもよくわかります。
ただ、年間でその空き家をどれくらい使うのでしょうか?
空き家の維持管理にかかるお金、労力、時間を自分の子供にも背負わせるのか?などを考えると、私も考えものだなと思います。
精神的な面で言えば、空き家は所有者だけのものではありません。
「家族やご先祖様みんなのもの」が正解でしょう。
だから売却はできないものです。
ただ、実際実家を売却した人の話を聞いてみると「楽になった」「お金が残るようになった」「思いでは消えないから大丈夫」などの声が多いのです。
思い出は写真でも動画でも保存はできます。
高い固定資産税からも解放され、貴重な休日を使って草むしりや室内の掃除をする手間から解放され、自由な時間を手に入れることができたと喜ぶ人も多いのです。
「実家を売却すべきだ」とは言いませんが、現実的には空き家は売却するのが最も改善が大きいです。
「でも、こんな空き家誰も買ってくれない」という声も聞こえてきそうですが、実は空き家を売ることはできます。
空き家を売る方法はただ1つ「値段を下げること」です。
値段を下げることで売却できる確率は一気に高まります。
値段を下げるといっても「200万円で売る」とか「100万円で売る」とかじゃないですよ。
「100円」とか「1円」もアリなんです。
「そんな安い売値じゃもったいない!」という声が聞こえてきそうですね(^^;
特に、バブル期にその土地と家を購入した場合は「とてもそんな金額では売れない!」というのが本音でしょう。
でも、いくら購入した時が高かったからといっても、今後空き家の値があがることは間違いなくありません。
「いま売ったらもったいない」という考えを、いかに早く捨てられるかが勝負です。
そもそも、使ってもいなくて所有しているだけでお金が出ていってしまう空き家ですから、言い方は悪いですが不動産というよりは「負動産」です。
※負の財産みたいな意味です。
であれば、「手放せるだけでも儲けもん」と思っておくくらいがちょうど良いでしょう。
実際に空き家を1円で売却する人もいますよ。
その人は空き家を売って儲けようなんて思っていません。
「手放せば、固定資産税を払わなくて済む」ということが大きなメリットだったからです。
あとは空き家と土地を誰に売るかですね。
もっとも買ってくれる可能性が高いのは「おとなりさん」です。
おとなりさんは自分の家の敷地面積が広くなることで、離れを造ったり、駐車場を広くしたり、倉庫を置くスペースができたりする可能性があります。
もっともあなたの空き家と土地を買ってメリットがあるのは「おとなりさん」です。
灯台下暗しと言いますか、実は近くにあなたの空き家を買い取ってくれる人はいるものです。
相続した空き家を売却した場合は譲渡所得から3000万円が控除される
相続した空き家を売却した場合、条件があえば譲渡所得から3000万円を控除できる優遇税制があります。
大きな節税効果がありますので、空き家を売却する際には事前に知っておきましょう。
相続した空き家を売却した際の譲渡所得から3000万円控除については、一般社団法人相続ファシリテーター協会の「空き家の相続の問題!売却や活用の税金控除や放棄後の管理義務」が参考になるので、読んでみてください(^^)
まとめ
空き家の固定資産税は非常に頭が痛い問題ですよね。
使ってもいない空き家の高い固定資産税をいつまで払い続けるのかと考えると、とても不安になるものです。
しかも、その空き家の管理をきちんとしておかないと特定空き家に認定されてしまい、固定資産税が6倍に跳ね上がります。
空き家の維持管理も、現実的には3年が限界です。
固定資産税を下げるか、固定資産税がかからない方法を早めに検討しておくことが吉でしょう。
あなたの参考になればうれしいです(^^)