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古民家

古民家リフォームの耐震補強工事についてご紹介します。

 

日本では1995年の阪神・淡路大震災以降「建築物の耐震改修の促進に関する法律」耐震改修促進法が制定されたことで、耐震補強工事が進んでいきました。

 

2000年に建築基準法が改正されたことで、新建築基準法に適合しない建物は耐震診断や耐震改修が進んでいます。

 

ただし、個人の木造住宅は耐震補強工事リフォームが推奨されていますが、あくまでも任意です。

古民家再生・リフォーム・リノベーションをする際は現在の建築基準法に適合する耐震補強工事が特に推奨されています。

古民家は地震に強い?

疑問に思うおじさん

現在の建築基準法では「建物は地面に固定されていなければならない」と決められています。

石の土台の上に家屋が乗っている古民家(石場建てと言います)は、現在の建築基準法に適応していないということです。

※違法ではありませんのでご安心を。

 

古民家・旧日本家屋は「地震に強い」と言われています。

 

現在の新築住宅工法は「地震に耐える家」と言えます。

いわゆる「耐震構造」です。

 

大きい地震に耐えられる家を作る考え方のため、想定よりも大きい地震が来てしまうと耐えられず損壊や倒壊のリスクがあります。

古民家

一方、古民家は「地震の揺れを受け流す構造」で作られています。

現代の住宅が耐震構造であれば、古民家は「免震構造」と言えます。

 

石の土台の上に民家が乗っているだけの古民家は多いですが、これは地震が来たときに揺れを受け流し、分散させる構造になっています。

 

柱や梁の接合部には隙間・遊びが設けられているため、地震の揺れに対して少しずつ動きながら地震と一緒に揺れることで、地震の揺れを逃がすことができるのです。

地震

事実、2011年の東日本大震災では、当時の耐震構造より想定以上の揺れが来てしまったため現代工法の住宅は倒壊した家が多かったですが、倒壊しなかった古民家が多くありました。

 

ただし、前述の通り現在の建築基準法では「建物は地面に固定されていなければいけない」と決められているため、耐震補強工事が推奨されています。

 

地方自治体によっては耐震診断・耐震補強工事の促進のために補助金を出すところもあります。

現代建築物と古民家の地震対策の違い

現代の建築物と古民家の耐震性、地震への強さの違いをご紹介します。

現代建築物は耐震構造

耐震

現代建築物は「自然に勝つ、自然を征服する、自然より強い建物を造る」という考え方です。

 

「地震の揺れより強い建物を建てれば倒壊しない」という発想です。

これを「耐震」といいます。

文字通り「地震に耐える建物」です。

 

ただし、想定よりも大きい地震や、想定していない揺れ方が来てしまうと倒壊のリスクがあります。

古民家は免震構造

田舎の村

古民家は「自然を受け入れる、自然と共生する、自然に逆らわない建物」という考え方です。

地震に柔軟に対する構造物となっており、地震のエネルギーをしなやかに受け入れて受け流す造りになっています。

 

古民家自体が揺れを分散吸収する粘り強さのある建物です。

これを「免震」といいます。

 

文字通り「地震を免れる建物」と言えます。

古民家の状態によっては耐震補強工事が必要

古民家

古民家・旧日本家屋は、土台の上に家が乗っているだけのものも多いです。

この工法を「石場建て」といいます。

 

そのため、基礎部分は空洞になっており、高温多湿な日本の気候では、家屋の痛みは基礎からくることが多いため、風通しがよくなっているのです。

 

こうした古民家は地震に耐えるというよりは「地震を受け流す建物」という方が合っています。

 

地震が来ても土台から家が落ちますが、地面と固定されていないため、もろに地震のエネルギーを受けない構造になっています。

 

また、地震の揺れで壁が崩れても、柱や梁など基礎部分の接合には隙間や遊びがあるため、地震の揺れを家屋が吸収する造りになっています。

法隆寺

法隆寺を始め、日本の伝統的な建造物が長い年数残っているということは、それだけ大型の地震に何度も耐えてきたということです。

 

地震大国日本で古民家の構造は、先人の知恵が詰め込まれた「地震に強い家」と言えます。

そもそも古民家は地震に強いのです。

 

「じゃあ古民家の耐震補強工事はいらないじゃないか」と考える人もいますが、そうもいかないのも事実です。

 

仮に、大型の地震がきて古民家が何とか地震に耐え抜いたとしても、無傷というわけにはいきません。

 

土台から古民家が落ちてしまった場合、どうやってまた古民家を土台の上に乗せるのでしょうか?

壁が崩れてしまえば、当然その補修工事も必要です。

御金で悩む男性

また、古い技法で柱や梁が組まれた古民家の補修工事は一般の工事業者にはできません。

古民家専門の業者に依頼が必要であり、そうした専門業者は数が少ないため、当然費用が高くなります。

 

そうしたことを考えると、耐震補強工事をして「日本伝統の地震に強い家」と現代の耐震性の高い家の両面を持つことで地震に対するリスクを下げることができます。

 

耐震補強工事をした方が、実際に地震が起きてからかかる費用の全体よりは安く済む可能性が高いです。

ボロボロの家

また、古民家の保存状態によっては地震にすごく弱い状態の古民家もあります。

 

特に、柱や梁など躯体の保存状態が悪い古民家は地震がきたときは非常にもろいです。

そうした古民家は耐震補強工事をしておかないと被害は甚大なものになります。

 

古民家は縦の揺れには強いが、水平の揺れに弱いと言われています。

地震のタイプによっては、古民家といえどあっけなく地震で倒壊してしまう危険性があります。

 

1995年の阪神・淡路大震災では昭和30年以前の民家は被害が極めて多かったという報告もあります。

古民家

瓦屋根はどうしても屋根を重くしてしまうため、重心が上にいき、地震のゆれであっけなく倒壊してしまうリスクがあります。

 

2004年の新潟県中越地震では、老朽化が進んだ古民家、瓦屋根の古民家、間口の広い古民家が倒壊しています。

 

また、土壁の崩落が多く、修復が不可能で結局解体になる古民家も多いです。

柱や梁の接合部の腐朽が進んでいた古民家も倒壊しました。

 

「古民家が地震に強い」といっても、それは保存状態が良く、メンテナンスがしっかりしている古民家のことです。

雨やシロアリでも古民家の耐震性は落ちる

台風

地震でなくても台風や雨でも古民家が部分的に破損し、そこから腐朽が進んでいくことがあります。

 

台風や雨によって瓦がずれることでそこから雨水が浸水し、古民家の基礎部分・躯体部分がもろくなっていくリスクがあります。

 

また、壁のひび割れ、土台の湿気も古民家の基礎部分の腐朽が進む原因になります。

 

シロアリの被害がひどくて躯体部分がもろくなって、地震に弱くなっている古民家も多いです。

見えない部分で大きく破壊している場合もあるため、一概に古民家が地震に強いとは言えません。

古民家の耐震補強工事の内容は?

優秀な業者

古民家独特の地震の揺れを吸収する構造を利用して耐震補強工事をすることもできます。

免震用の材料を使って補強ができます。

 

ただ、風呂場など水気の多い部分は木の腐食が進んでいることも多く、柱や梁が弱くなっていると、柱と柱の間に壁を造り補強することもあります。

 

また、地盤が変化している場合はコンクリートで固めて補強します。

古民家の耐震補強工事の内容をご紹介します。

基礎の耐震補強工事

曳家

古民家の場合、基礎がないことが多いので「曳家・ジャッキアップ」という方法で家を持ち上げ、基礎や土台を造ることもできます。

基礎や土台を造ったら、基礎と土台と柱を金物で緊結して引き抜きに対する耐震強度を補強します。

耐力壁の設置

土壁

古民家は壁がもろいというデメリットがあるため、柱と梁の間に耐力壁を設置することで耐震力を高める効果があります。

「古民家は水平の揺れに弱い」という弱点をカバーします。

柱や梁を金属で耐震補強

古民家は釘を使わず木材を組み合わせて造られているものも多いです。

柱や梁を金属でつなげて補強することで、地震の際に柱や梁の組み合わせが抜け落ちて古民家が倒壊するのを防ぐことができます。

古民家の屋根を軽くする

瓦

瓦屋根は地震に弱いと言われています。

瓦は重いため、建物の重心が上にいってしまいます。

 

瓦屋根の家は地震で倒壊しやすいというデータもあります。

※ただし、重量の重い家は台風には強いというメリットがあります。

 

瓦屋根は、屋根の下地に土が敷いてあり、これも屋根を重くしている原因です。

 

古民家の外観に変化はでますが、鉄板やスレートなど軽い屋根に換えることで地震対策になります。

また、瓦屋根にしても屋根の下地の土を取り除くことでも対策になります。

屋根が飛びそうな家

ただし、台風が多い地域は軽い屋根にすると台風で屋根が吹き飛ばされてしまうリスクもあります。

屋根を固定する補強工事も重要です。

古民家建材の腐食対策とシロアリ対策

雨漏り

古民家の構造部・躯体部分が雨漏りなどで腐食が進んでいると、当然建材はもろくなっています。

また、シロアリの被害でも古民家はもろくなります。

 

こうした建材の交換をすることでも耐震補強につながります。

古民家の床の補強

柱と柱の間にブレースをつけて、床のゆがみやねじりに対応する力を補強することができます。

外から壁を補強

古民家の耐震補強工事に壁の補強がありますが、外壁を補強する方法もあります。

外壁を撤去して外から壁の補強をします。

感心している男性

このように、古民家の耐震補強工事は様々な方法があります。

ただし、古民家の耐震補強工事は費用が高いため慎重な判断が必要です。

 

ちなみに、曳家・ジャッキアップをして基礎や土台を造る工事は40坪くらいの広さで約1000万円の工事費用がかかります。

古民家再生のリフォーム業者に注意!

古民家は本来地震に強いのです。

日本の伝統的木造建築が1000年以上残っているのが何よりの証拠です。

業者

ところが、古民家の耐震補強工事をハウスメーカーや工務店に相談すると「古民家は地震に弱い」という業者がいるので注意してください。

 

古民家は地震に弱いという業者の本音は2つあります。

  • 古民家のリフォームより新築に建て替えてほしい
  • 古民家の耐震補強工事など古民家再生の技術、知識がない。新築しかできない。

です。

 

「建て替えた方が地震の際も安心ですよ」と言ってくる業者を信用してはいけません。

悪質な業者の言葉を鵜呑みにしてしまい、貴重な古民家を壊してしまう人もいます。

故郷を思い出す老夫婦

一度壊した古民家は二度と元には戻りません。

これはお金で買うことができない価値を失うことです。

 

「古民家は地震に弱い」というリフォーム業者の言い分は「古民家は現在の建築基準法に適応していないから」です。

 

たしかに、古民家は現在の建築基準法に適応していないものが多いです。

だからといって、違法ではありませんし、前述の通り古民家が地震に弱いわけではないのです。

古民家

古民家の部屋と部屋の間は障子が多くとても開放的ですよね。

古民家のふすまや障子を外すと、柱ばかりの建物であることがわかります。

 

日本は昔から地震大国ですが、その国で1000年以上培われてきた工法ですから、地震には強いのです。

古民家の「地震の揺れを受け流す家」は国土交通省も注目しており、科学的に研究しています。

先人の知恵はやはりすごいですね。

 

そのため「古民家の耐震性を上げたい」といっても、一般のハウスメーカーや工務店に相談してはいけません。

 

古民家の耐震補強工事に相当詳しいリフォーム業者でないと信頼できません。

国土交通省が研究しているくらいですから、古民家の耐震補強工事には相当な技術と知識が必要ということです。

 

古民家再生の経験や実績が少ない、もしくはまったくないリフォーム業者に到底できるようなレベルの工事ではありません。

ダメな業者

それを「この家は地震に弱いですね」「地震がきたら倒壊するかもしれませんよ」「建て直した方が良いですね」と簡単に片づけてしまうリフォーム業者に騙されないように注意してください。

 

地震の不安感を与えて、高額なリフォーム・リノベーション工事を売りつけたり、大切な古民家を壊してしまう業者もありますから注意が必要です。

古民家の耐震補強工事の費用相場は?

崩れた民家

木造住宅で倒壊の心配がないとされている家屋は約8%しかありません。

 

92%は耐震対策をしておらず、倒壊の可能性がある家屋ということになります。

特に、古民家の耐震補強工事の実施率は低いです。

 

木造家屋の耐震補強工事の平均工事金額は約152万円です。

昭和55年以前の古民家の耐震補強工事の平均工事金額は約175万円でした。

 

ちなみに、昭和56年以降の家屋の耐震補強工事の平均工事金額は約133万円だったため、やはり古民家の耐震補強工事は、現代の一般家屋より費用がかかります。

 

耐震補強工事の実施率は約28%となっており、72%の家屋は耐震補強が必要という状態です。

 

耐震補強工事で最も多い施工が「内側から壁を補強する工事」で85%の家屋がこの工事をしています。

続いて、基礎の補強工事が36%、外側から壁を補強する工事が19%の実施割合になっています。

 

壁の耐震補強をすると、基礎の補強工事も必要になる事例が多く、壁の耐震補強工事と基礎の耐震補強工事の費用がかかります。

 

ただし、各自治体では旧耐震基準の古民家を対象に、耐震診断の費用や耐震補強工事の費用の補助金を用意しているなどしていることもあるため、耐震補強工事をする際は自治体に相談することも重要です。

相続で取得した空き家を耐震リフォームすると売却の所得税が3000万円控除される

空き家売却

相続で取得した空き家を耐震リフォームすると、空き家を売却する際の譲渡所得から3000万円を控除されると優遇税制があります。

空き家売却の節税に大きな効果があるため、売却前に確認しましょう。

 

優遇税制を適用するためには各種条件があるため、詳しくは一般社団法人相続ファシリテーター協会の「空き家の相続の問題!売却や活用の税金控除や放棄後の管理義務」を読んでみてください(^^)

リフォーム業者ではない第三者の古民家再生の相談窓口

注意マーク

古民家の耐震補強工事のリフォームやリノベーション業者によるトラブルが跡を絶ちません。

 

古民家の耐震補強工事は高度な技術・知識が必要な、難易度の高いリフォーム・リノベーションです。

一般の工務店・業者・ハウスメーカーには工事ができません。

 

ところが、リフォーム工事案件を取りたい業者は「うちは何でもできますよ!」と営業してくるところもあります。

そうした業者にリフォーム・リノベーションを頼んでしまうと、古民家診断や調査が甘かったり、工事技術がなくて、耐震補強工事が甘く手抜き工事や欠陥住宅になってしまうリスクがあります。

 

どの工務店・業者に相談しても「うちは良いですよ!」としか言わないため、どこに相談していいのかわかりません。

相談窓口

そうしたときに有効なのが「工事業者ではない、第三者の古民家再生の相談窓口」に相談することです。

 

こうした第三者機関は工事をしないため、相談者の立場にたって古民家再生・リフォーム・リノベーション・耐震補強工事の相談にのってくれます。

 

「古民家再生・リフォーム・リノベーションに失敗したくない」という方は、こうした信頼できる第三者の相談窓口を有効活用しましょう。

 

あなたの参考になればうれしいです(^^)