相続

相続対策に重要なのが生前の遺言書作成です。

 

もちろん、これは財産を遺す人(被相続人)が生前で、判断能力のあるうちに遺言書を作成しておく必要があります。

 

遺言書を用意しておくことで、財産を遺す人が財産分与をある程度指示できます。

自筆証書遺言は危険

遺言書

ただし、遺言書は自筆で書くのはやめておきましょう。

 

「自筆証書遺言」という自分で書くタイプの遺言書もあります。

 

自分でいつでも無料で書けますし、簡単に書き直せるため自筆証書遺言を書く人もいますが、おすすめできません。

 

自筆証書遺言は書式が細かく決まっているため、せっかく遺言書を書いても法的に認められない書類になる危険性があります。

 

また、自筆証書遺言を家の中に保管しておいて、うっかり家族(相続人)がそれを見つけて開封してしまうと法的効力はなくなります。

 

自筆証書遺言は未開封であることが前提です。

 

遺言証書

 

そうなると自筆証書遺言はリスクが高いため、お金はかかりますが公正役場に行って「公正証書遺言」を作成しましょう。

 

これであれば書式のミスや開封のリスクがありませんので、必ず公正証書遺言を作成するようにしましょう。

遺留分とは?

財産

例えば、親が亡くなって6000万円の財産を遺したとします。

財産を受け取る相続人が長男、次男、三男の子供3人だとします。

 

極端ですが「長男に全財産を相続させる」という、法的に効力のある遺言書が発見されたとします。

 

次男と三男から異論がなければ、遺言書の通り長男が全財産を相続することができます。

 

ただ、実際は「長男が全財産を相続して、次男と三男から異論がない」ということは少ないです。

兄弟げんか

日本では、戦前はこうした「長男に相続させる」という相続が普通でしたが、戦後の民法では「均分相続」が定められており「長男だから」ということではなく、相続人で平等に財産を分けなさいとなっています。

 

そのため設けられている制度が「遺留分」という制度です。

 

例えば、次男と三男が異論を申し立て「兄ちゃんだけずるい!」と言ったとしましょう。

 

でも、遺言書には「全財産を長男に相続させる」と書いてあります。

 

本来は6000万円を3等分して、2000万円ずつ分けるのが基本的な分け方(法定相続分)ですが、遺言書の通りだと、

  • 長男:6000万円
  • 次男:0円
  • 三男:0円

となります。

山積み札束

しかし、遺留分では「法定相続分の半分を相続できる権利がある」と民法で定めているため、次男と三男の遺留分は、本来の法定相続分2000万円の半分の1000万円です。

 

これを長男は断ることができず、遺留分を行使されると、

  • 長男:4000万円
  • 次男:1000万円
  • 三男:1000万円

となります。

 

長男が相続した財産がすべて現金であれば次男と三男に1000万円ずつ渡せば済みますが、統計的には相続財産の約6割は不動産と言われています。

古民家3

仮に親からの全財産6000万円のうち6割が不動産であれば、不動産は3600万円

 

それ以外が現金だとしたら6000万円-3600万円=2400万円が現金です。

 

2400万円の現金のうち2000万円を次男と三男に渡します。

 

長男には現金400万円しか残りません。

正直、不動産をもらうよりも現金をもらう方が嬉しい人は多いですよね…。

現金

このとおり、「遺留分があると遺言書は完ぺきではない」「遺言書より強いのは遺留分」ということを覚えておきましょう。

 

また、相続対策をする際は初めから遺留分対策をしておくことが重要です。

 

もし次男と三男が遺留分を主張してきた場合に備えて、長男が遺留分を次男と三男に渡せるように対策しておく必要があります。

 

遺留分対策には生命保険を活用する人もいます。

保険証券

  • 契約者:
  • 被保険者:
  • 死亡保険金受取人:長男
  • 死亡保険金額2000万円

という生命保険に加入します。

 

親が亡くなると長男に死亡保険金2000万円が入ります。

 

もし、次男と三男から遺留分請求をされたら、この死亡保険金2000万円を1000万円ずつ次男と三男に渡します。

 

ただし、この生命保険を活用する方法は条件が様々あります。

 

  • 親が生命保険に加入できる年齢と健康状態であること。
  • 保険料の支払いをどうするのか。
  • 健康状態が悪くて高齢でも加入できる保険もありますが、死亡保険金と同額の現金が一括で必要のため、その現金をどうするのか。

などが条件です。

 

空き家の共有名義は危険

書類

相続争いになることを恐れて、兄弟で不動産(実家・空き家)を兄弟(相続人)で共有名義にする事例がありますが、あまりおすすめできません。

 

不動産を売るにも、解体するにも、リフォームするにも、貸すにも、共有名義人全員の合意がなければ不動産を動かすことはできません。

 

このとき兄弟で話がまとまれば良いですが、うまく話がまとまらないと塩漬けの不動産になってしまいます。

 

「売った方が良い」「いや、まだ早い」「解体して更地にしよう」「そんなことしたら固定資産税が高くなる」など、共同名義者で意見がまとまらないことが多いです。

 

そのまま何年も経過して危険空き家(特定空き家)に荒廃してしまう危険性や、こうしたことがきっかけで今まで仲の良かった兄弟の関係性にひびが入ることもあります。

対立

 

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