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家族会議

空き家活用や古民家再生をどのようにするか考えておきましょう。

空き家や古民家の活用方法は下記のような選択肢が考えられます。

  1. 家族の誰かが住む
  2. 解体する
  3. 売却する
  4. リフォーム・リノベーションする
  5. 賃貸に出す
  6. 民泊にする
  7. 宿泊施設やお店にする
  8. とりあえず放っておく

では、1つずつ見ていきましょう(^^)

家族の誰かが住む

引っ越しのトラック

例えば、親が住んでいた実家を相続して空き家になってしまった場合は「もったいないので家族の誰かが住む」という方法があります。

親と同居していた子供がいる場合は、そのままその家に住み続ける子もいます。

 

家賃もかかりませんし、誰かが住むことで家も劣化しませんし、これが一番良い方法とも言えます。

「親の介護をしていた子供がそのまま住み続ける」という事例も多いです。

 

また、家族が実家に住むことができれば、相続税の節税にもなります。

 

「小規模宅地の評価減」という制度があり、家族が実家に住み続けるようであれば、実家の評価額を8割削減してくれる制度です。

これにより相続税を節税できます。

家の前に立つ夫婦

しかし、現実的には「家族が住み続ける」という手段がとれない家族が多いです。

 

相続が発生する年齢は80~90代。

その子供(相続人)の年齢は50~60代が多いです。

 

日本の50~60代の多くはすでに一戸建てやマンションのマイホームを所有していることが多いため「実家がいらない」というのが現実です。

 

仕事にも不便な実家にわざわざ引っ越す必要もありませんし、自分の家を売ってまで実家に住む人は稀です。

「実家に誰も住む人がおらず、空き家になってしまう」という事例がもっとも多いです。

解体する

解体工事

空き家や古民家の使い道がないため、解体工事をして更地にする人もいます。

空き家や古民家を売却したい場合は、建物を解体した方が売りやすいです。

 

買い手も建物が建っているよりは、更地の方が新しい建物を建てやすいため、更地を好む人の方が多いです。

 

建物が建っている土地は、買い手が解体工事をしなければいけないため、どうしても更地の方が売れやすいです。

 

ただし、更地にしてしまうと固定資産税が約6倍になってしまいます。

 

すぐに空き家の土地の買い手がつけば良いですが、すぐに買い手が見つからない場合は、高い固定資産税をいつ見つかるかもわからない買い手が見つかるまで払わなければいけません。

 

ちなみに、空き家や古民家を解体する際は火災保険からお金をもらうとお得です。

古材

また、古民家に使われている古い木材・建材などの「古材」は売却できる可能性があります。

古材や建材買取をしている業者もあります。

 

ただし、古民家の古材・建材市場は非常に流動的なため、買い手がつかないタイミングも多く、必ず売れるわけではありません。

売却する

売地

空き家や古民家を売却する人もいます。

近年は「古民家に住みたい!」という人も増えており、土地と古民家を買ってもらえることもあります。

 

「空き家バンク」や古民家系の雑誌を見ると、数多くの古民家物件情報が載っています。

数百万円くらいで売り出しているものが多く、買い手がつくこともあります。

 

ただし、古民家の保存状態が売れるかどうかに大きく影響するため、古民家の維持管理を怠ると売れにくくなります。

 

また、一般的には「建物が建っていない更地がほしい」という人が多いです。

「古民家を買いたい」という人は少数派です。

古民家や空き家を解体して更地にしてから売却する人もいます。

固定資産税

ただし、さきほども言ったように更地にしてしまうと固定資産税が約6倍になってしまいます。

 

すぐに空き家の土地の買い手がつけば良いですが、すぐに買い手が見つからない場合は、高い固定資産税をいつ見つかるかもわからない買い手が見つかるまで払わなければいけません。

リフォーム・リノベーションする

古民家

古民家や空き家をリフォーム・リノベーションなど改装する人もいます。

 

リフォーム・リノベーションする目的は「自分が住むため」「売却するため」「人に貸すため」「民泊にするため」「お店や宿泊施設にするため」などがあります。

 

リフォーム・リノベーションすることで資産価値も上がります。

自分が住むにも、人に使ってもらうにも、居心地が良くきれいな住まいになります。

 

ただし、当然リフォーム・リノベーションには改装費用がかかります。

特に古民家は、古民家専門の工務店に依頼しないとリフォーム・リノベーションはできません。

 

旧日本家屋は現代の一般住宅とは建築工法が違うため、専門知識が必要です。

ダメな業者

古民家に詳しくない工務店に頼むことで、欠陥工事などのトラブルになるリスクがあるため、おすすめできません。

 

また、古民家をリフォームして旅館業の基準値を満たす構造・設備にすると、当然ながら現代の建築基準法や消防法に適合させなければいけません。

 

築年数が50年や100年を超える古民家は木造のため、消防法を考えるとかなり大掛かりなリフォームが必要になります。

場合によっては1000万円以上の投資が必要です。

お金が出ていく

また、耐震構造断熱設備も現在の建築物とは大きく違うため、そうしたリフォームもすればかなりのお金が必要です。

 

古民家・空き家のリフォームやリノベーション改装費用には上限がないと思ってください。

 

ちなみに、古民家や空き家をリフォーム・リノベーションする前に火災保険からお金をもらうとお得です。

賃貸に出す

カフェ

空き家や古民家を賃貸に出す方法もあります。

空き家バンクや古民家系の雑誌を見てみると、賃貸で出ている古民家や空き家もあります。

 

「古民家に住みたい」という人もいて、条件が合えば賃貸で入ってくれる可能性もあります。

そうすれば、毎月家賃を受け取ることができます。

 

また、近年は「古民家カフェ」なども流行っているため、古民家をお店として貸すという方法もあります。

 

ただし、これは賃貸不動産業ですので、当然借り手が「ここを借りたい!」と思ってもらえるような古民家にしておく必要があります。

リフォーム

ボロボロな古民家よりは、きれいで清潔でリフォーム済みの物件の方が当然借り手はつきやすいです。

賃貸に出すにはリフォームやリノベーションなど、ある程度の投資が必要です。

 

ちなみに、土地や建物を他人に貸していると相続税が節税できます。

 

土地を他人に貸している場合は、借りている人に「借地権」が発生します。

土地の所有者は自分の土地であっても自由に処分ができません。

 

そのため、他人に貸している土地は自分で使っている土地とは相続税の計算方法が違い、評価額が低くなります。

貸宅地の評価額は「自用地としての評価額×(1-借地権割合)」です。

 

借地権割合が70%であれば評価額は30%とことになります。

借地権割合は国税局が公開している路線価図に表記されています。

 

路線価図の路線価の数字に続いてA~Gのアルファベットが表記されており、このアルファベットが借地権割合です。

Aが90%、Bが80%、Cが70%、Dが60%、Eが50%、Fが40%、Gが30%です。

 

古民家や空き家などを貸している場合にも、借家人がいるため勝手に処分することはできないため、評価減になります。

 

貸家は「借家権割合」といいます。

借家権割合は全国一律で30%です。

つまり3割の評価減です。

 

一軒家は3割評価減で、アパートやマンションなどは貸している分だけが評価減で、空室分はカウントされません。

民泊にする

民泊

2018年6月15日から「民泊新法」が施行されました。

民泊新法は「住宅宿泊事業法」といいます。

 

日本では今まで民泊ビジネスは禁じられていましたが、2020年東京オリンピックでの外国人観光客の増加も鑑み、民泊をビジネスとして行えるようになりました。

 

「旅館業法」に基づくホテル営業、旅館営業、簡易宿所営業、下宿営業と、東京都大田区など民泊特区以外での民泊ビジネスが認められます。

 

人を宿泊させる日数が1年間で180日未満であることなどの条件がありますが、空き家や古民家を民泊にしてビジネスができます。

 

日本が好きな外国人観光客の中には、東京や大阪など大都市圏ではなく、日本の地方都市や田舎で古き良き日本の生活を体験したいというニーズも一定数あるため、空き家や古民家を活かしてお金を稼ぐこともできます。

もちろん、民泊を行うためには事前の申請・許可が必要です。

 

ただし、古民家や空き家の状態によっては民泊に障壁があります。

ビジネスである以上は、観光客に「ここに泊まってみたい!」と思ってもらう必要があります。

目を輝かせる女性

きれいであること、清潔であることはもちろん、リフォーム・リノベーションして古民家の良さを残しつつおしゃれな空間づくりをしないとお客さんがつきません。

 

これは一般の旅館やホテルと同様の努力をしなければいけないということで、民泊サイトに登録したから人が来るとは限りません。

 

古民家や空き家の状態が悪ければ、費用をかけてリフォーム・リノベーションをする必要があります。

特に古民家のリフォーム・リノベーションは高額です。

 

また、民泊でやはり心配なのが「トラブル」です。

特に注意が必要なのは外国人宿泊者です。

外国人

まず知っておかなければいけないのは、外国人観光客で民泊を選択する人の理由第一位は「宿泊費用が安いから」です。

 

「日本の文化に触れたい」「古き良き日本の暮らしを体験したい」という外国人観光客は少数派です。

 

民泊は「1人いくら」ではなく「1部屋いくら」で計算するところも多いため、1部屋に複数人数で宿泊すれば宿泊者の1人当たりの費用は安くなるため人気があります。

 

安い宿に泊まりたい外国人観光客がトラブルを起こすとは言い切れませんが、現実そうしたトラブルが起きています。

 

また「外国人は日本人ではない」ということも知っておかなければいけません。

文化も風習も違うため、それがトラブルの原因になることもあります。

 

外国人観光客のトラブルで多いのが、

  • 深夜の騒音で近隣からの苦情
  • 酒に酔って暴れまわる
  • 他の宿泊者に迷惑をかける、暴力をふるう
  • 火事を起こす
  • タバコの不始末
  • 宿泊施設内の物品の盗難
  • 宿泊施設内の設備の破壊
  • 日本人には理解できないゴミの扱い、ゴミの捨て方
  • 汚物トラブル
  • 殺人事件

などです。

ちらかった部屋

部屋の床じゅうにゴミを捨てていったり、汚物を遺していったり、部屋のコップや電池の盗難も多いです。

 

こうしたトラブルに民泊の貸主である所有者が対応しなければいけません。

そこまで民泊をやるかは慎重な判断が必要です。

 

もちろん民泊にメリットもあります。

  • 外国人の友達ができる
  • きちんとすれば予約がたくさん入る
  • リピーターになってくれる
  • 英語を話せるようになった
  • 空き家や古民家を使ってお金を稼げる

など、良いこともありますが、いずれにせよ民泊は慎重な検討が必要です。

宿泊施設やお店にする

古民家

日本人でも「古民家に泊まりたい!」というニーズがあるため、古民家を宿泊施設にする人もいます。

 

また「古民家カフェ」「古民家レストラン」が流行っていますので、古民家カフェや古民家レストランなどお店にする人もいます。

 

いずれにせよ、古民家のままでは宿泊施設やお店にはできませんので、費用をかけてリフォーム・リノベーションする必要があります。

 

しかも、お客様に来ていただく場ですから、きちんと「お金をとれるレベル」にしなければ失敗します。

 

古民家を旅館業の基準値を満たす構造・設備にするならば、現代の建築基準法や消防法に適合させる義務があります。

 

築年数が50年や100年を超える古民家は木造のため、消防法を考えるとかなり大掛かりなリフォームやリノベーションが必要です。

場合によっては1000万円以上の投資が必要です。

 

また、耐震構造や断熱設備も現在の建築物とは違うため、お客様に来ていただく快適な空間を作らなければビジネスになりませんから、リフォームはかなりお金が必要です。

 

古民家・空き家のリフォームやリノベーション費用には上限がないと思ってください。

 

特に古民家は、古民家専門の工務店に依頼しないとリフォーム・リノベーションはできません。

 

旧日本家屋は現代の一般住宅とは建築工法が違うため、専門知識が必要です。

古民家に詳しくない工務店に頼むことで、欠陥工事などのトラブルになるリスクがあるため注意してください。

 

ちなみに、古民家や空き家をリフォーム・リノベーションする前に火災保険からお金をもらうとお得です。

とりあえず放っておく

空き家

古民家や空き家をとりあえず放っておくという人も多いです。

自分が住んでいる古民家であれば放っておくのは問題ありません。

問題は「空き家」です。

 

特に、親から相続して空き家になった実家を放っておくのはリスクが高いです。

 

空き家を管理せず放置しておくと、どんどん荒廃していきます。

荒廃が進むと近隣から苦情が出てきます。

 

その場合は「空き家対策特別措置法」が適用され、固定資産税が約6倍になったり、行政代執行によって勝手に実家が壊されて、その解体費用を請求されてしまいます。

 

空き家の相続でよくあるケースが、相続人たちの「共有名義」として相続してしまうケースです。

話し合い

「誰も実家がいらないのでとりあえず兄弟の共有名義にした」

「みんなで実家の空き家の維持費を出し合うことにしたので共同名義にした」

など理由は様々ですが、共有名義はやめておきましょう。

 

実家の空き家を売るにも、解体するにも、リフォームするにも、貸すにも、共有名義人全員の合意がなければ空き家を動かすことはできません。

 

このとき兄弟で話がまとまれば良いですが、うまく話がまとまらないと塩漬けの不動産になってしまいます。

 

そのまま何年も経過して空き家が荒廃してしまう危険性や、仲の良かった兄弟の人間関係にヒビが入ることもあります。

空き家の実家をどうしていくのかを決める必要があります。

 

もし空き家を維持するようであれば「空き家対策特別措置法」に該当しないように維持する必要があります。

 

最近は不動産管理会社や警備会社が「空き家管理サービス」をしていて、窓の開け閉め、草刈、掃除などを代行してくれます。

ただし、もちろん費用がかかります。

古民家・空き家の解体・売却・賃貸の税制優遇

古民家・空き家を解体・売却・賃貸をする場合は税制優遇があります。

 

相続した空き家を売却(解体した後に土地だけ売却も可)した場合の譲渡所得から3000万円が控除される特別税制があります。

 

また、古民家や空き家を賃貸に出す場合は相続税の節税効果があります。

 

税制優遇の内容を事前に確認して、もっとも効果的な古民家・空き家の活用をしましょう。

 

古民家・空き家を解体・売却・賃貸をする場合は税制優遇については、一般社団法人相続ファシリテーター協会の「空き家の相続の問題!売却や活用の税金控除や放棄後の管理義務」が参考になるので、読んでみてください(^^)

まとめ

茅葺屋根の古民家

古民家や空き家をどう活用するかによって、マイナスの資産にもプラスの資産にもなります。

 

ただ、どの方法にもメリットとデメリットがあるため、慎重な判断が必要です。

古民家や空き家の活用法については「古民家や空き家の相談窓口」があるので、そうしたところに相談してみるのが良いでしょう。

 

あなたの参考になればうれしいです(^^)