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古民家を移築して再生する人も多いです。
ただし、古民家の移築は条件が多いため、希望通りの移築再生ができない事例もあります。
古民家の「移築再生」とは、古民家を一度解体して、新しい場所に建て直すことです。
古民家は柱や梁などを釘を使わずに組み合わせているものが多く、その骨組みをばらすことで建材を新しい場所に運んで再度組みなおすことができます。
まずは、古民家の移築再生の方法をご紹介します。
古民家を一度解体して移築
古民家を一度解体して、建材を新しい場所まで運んで、建材を組みなおして再生する方法です。
古民家を一度ばらしていますので、建材をトラックに積むこともできます。
そのため、都道府県をまたぐような長距離の移築再生も可能です。
解体移築のデメリット
古民家を一度解体して移築する再生方法のデメリットをご紹介します。
- 解体技術が必要。古民家解体専門の技術と知識がいるため、一般の工務店ではできない。
- 古材が傷んでいる場合は新しい場所で使えない。新たな建材を購入する費用が発生する。
- 費用が高い
- 古材の洗浄費用もかかる
となっています。
かなり難易度が高い移築方法ということです。
曳家(ひきや)による移築
曳家(ひきや)とは、古民家をスライドさせて移動させる移築方法です。
古民家を基礎部分から切り離して、古民家を解体せずそのままスライドさせて移動します。
解体しない点が解体移築とは大きく違います。
曳家が有効なケースは、
- 古民家を少し移動させて駐車場スペースを広くしたい
- 古民家をセットバックする必要があるとき
- かなり短距離の移築
- 新築に建て替えるより費用が安い
などです。
古民家の基礎の下にレールを敷いてローラーで移動させます。
曳家移築のデメリット
曳家移築のデメリットをご紹介します。
- 長距離の移築には不向き
- 短距離しかできないため、移築方法としては限定的
などが挙げられます。
古民家を吊り上げて移築
古民家を基礎から切り離して、構造部分をクレーンで吊り上げて目的の場所に運ぶ移築方法です。
壁、天井、床、屋根は移築後に新たに造ることになります。
解体せずに古民家を移動させる点が、解体移築とは大きく違います。
メリットとデメリットは曳家移築とほとんど同じです。
解体移築後の再生方法は?
古民家を一度解体して新たな場所で建材を組みなおす場合の再生方法には「完全移築再生」と「部分再生」の2つがあります。
完全移築再生とは?
完全移築再生とは、解体したときに梁や柱だけでなく、再利用できる建材や古材をすべて新しい場所で移築する再生方法です。
もちろん、解体した結果、再利用できない状態に傷んでいる古材もあるため、すべてが再利用できるわけではありません。
運搬する建材や古材が多いため、運搬費用は多くかかります。
しかし、新たな建材を買い足す割合は少ないため、新建材代は少なくて済むこともあります。
部分再生とは?
部分再生とは、新築戸建てを建てることを前提として、解体した古材を新築戸建てに再利用する方法です。
梁、柱、壁材、床材、階段の古材、床の間の古材など、再利用できるものを使って再生します。
新築の良さと古材の良さを組み合わせた再生方法と言えます。
新築戸建ての中に古材の風合いを出すこともできます。
移築再生のデメリットは?
移築再生にはデメリットもあります。
- 解体してみたところ、古材の状態が悪く再利用できないことがある
- 法律や条例により、必ず希望の地に移築できるとは限らない
- 古民家専門の解体業者や移築専門の業者は数が少なく、費用が高い
- 水回りなど新たなリフォームが発生すると、かえって費用が高くなる
- 地面や気候の変化で劣化するリスクがある
- 移築は時間がかかるため、新生活までの期間を要する
- 移築工事中は他の住まいに引っ越さなければいけない
- 業者が移築の実績が少なく、失敗するリスクがある
- 移築後に耐震補強工事が必要になるケースが多く、追加で費用がかかる
などが挙げられます。
100%希望の移築再生ができるという保証はありません。
特に、業者選定は注意してください。
古民家移築再生の費用相場は?
移築再生の費用相場をご紹介します。
木造2階建ての古民家を移築再生する場合です。
- 建築面積:109.9㎡
- 延べ面積:104.18㎡(31.45坪)
- 直接工事費:1523万円
内訳は、
- 共通仮設:25万円
- 直接仮設:72万円
- 基礎工事:128万円
- 断熱工事:24万円
- 木工事:575万円
- 屋根工事:103万円
- 板金工事:44万円
- 左官工事:35万円
- 金属製建具:65万円
- 木製建具:55万円
- ガラス工事:24万円
- 内外装工事:25万円
- 雑工事:19万円
- 電気設備:39万円
- 給排水衛生設備:190万円
- 諸経費:99万円
となっています。
(建築数量積算基準・同解説、大成出版社参照)
その他にかかる費用は、
- 解体費用(一坪相場は3~4万円、ただし複雑な骨組みだと高額になります)
- 図面作成費用
- 現地調査費用
- 建材の洗浄費用
- 建材の運搬費用
などが挙げられます。
トイレ、キッチン、浴室など新たなリフォーム・リノベーションをする場合は追加で費用がかかります。
移築は難易度の高い建築方法のため、費用は高いと思ってください。
古民家の相続対策も忘れずに
古民家の移築再生のときには相続について考える良い機会です。
- 古民家は誰が相続するのか?
- 相続が不公平になっていないか?(誰か1人だけがトクをして他の相続人が損をしていないか)
- 古民家が空き家になる可能性はないか?
- 空き家になったら誰が相続するのか?誰が管理するのか?
- 相続税はかからないか?
- 相続税がかかるなら納税資金はあるか?
など、相続で考えておくことはたくさんあります。
古民家を移築するということは土地の評価額が変わるということです。
相続税がかかる家もあるでしょう。
私に実家は移築はしていませんが、古民家再生の際に相続対策もしましたよ(^^)
相続税については一般社団法人相続ファシリテーター協会の「相続税の基礎控除額は非課税枠のこと!税金計算と6つの節税方法」が参考になります。
あなたの参考になればうれしいです(^^)