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古民家再生・リフォーム・リノベーション費用の相場をご紹介します。
古民家再生・リフォーム・リノベーションの費用の相場は一概にいえない部分が多いです。
古民家の状態によって大きく左右されるためです。
構造部(柱や梁)など基礎部分の保存状態が良ければ費用は安く済みます。
古材や建材も再利用できるものが多ければ費用を抑えることができます。
ただし、構造部などの基礎部分や、湿気、耐震性、防火性、断熱性が弱い古民家も多く、そうした場合は費用が高くなることがあります。
当然、どの業者に古民家再生・リフォーム・リノベーションを依頼するかによっても費用は違ってきます。
古民家再生にはどれくらいの費用がかかるのかを見ていきましょう(^^)
古民家再生の費用はだいたいどれくらい?
それでも「古民家再生・リフォーム・リノベーションの相場を知りたい」という方も多いですので、最低でどれくらいかかるかというと300~500万円くらいはかかります。
「どういった目的で古民家再生・リフォーム・リノベーションをするか」によって費用は大きく変わります。
構造体など基礎部分の補強、耐震性、断熱、防水性など基本的な再生工事だけの人もいれば、設計やデザイン性にこだわったり、設備をグレードアップするリフォーム・リノベーションだとさらに費用は高くなります。
場合によっては、古民家再生・リフォーム・リノベーションの費用が2000万~3000万円かかることもあります。
古民家再生は追加工事に注意
古民家再生・リフォーム・リノベーションの打ち合わせを進めるうちに、または工事が進むうちに見積もりが高くなっていき、最終的に予算オーバーになることもあるので注意してください。
リフォーム業者など工務店によっては、最初の見積もりを安くして工事を請けてしまって、後からわざと追加工事を入れて費用を吊り上げる悪質な業者もいるので注意してください。
また、古民家再生はリフォーム・リノベーション工事前に念入りに診断・調査をしてもどうしても問題部を発見できない箇所もあり、追加費用が発生するリスクもあります。
さらに改修中の仮住まいの費用や引っ越し費用、家財を預ける費用なども計算にいれておく必要があります。
古民家の工事方法は?
古民家再生・リフォーム・リノベーションは現代の建築基準法に合わせる必要があります。
特に耐震性、防火対策が必要です。
また、古民家再生には現地再生と移築再生があります。
現地再生は、現在古民家が建っているところでリフォーム・リノベーションをすることです。
現地再生のリフォーム・リノベーション費用相場は2000万円以内と言われています。
移築再生は、古民家を一度バラして新しいところに建て直したり、曳家で古民家をスライドさせる再生方法です。
移築再生の費用相場は2000万円以上になります。
古民家再生は調査・診断が必須
古民家再生・リフォーム・リノベーションの前に必ず調査・診断が必要です。
古民家の状態によっては高額な費用がかかることもあります。
この調査・診断を行わずに目で見える部分だけで判断してリフォーム・リノベーションにとりかかってしまうと、後で基本構造部に重大な欠陥が見つかり工事をやり直す必要性や、そもそも住めない古民家に無駄なリフォーム費用をかけるリスクにもなります。
必ず調査・診断をしてください。
古民家の調査・診断をしない業者の場合は、リフォーム・リノベーションの依頼はやめておきましょう。
ちなみに、古民家の調査費用の相場は30~40万円程度です。
古民家再生の費用相場の内訳は?
古民家再生・リフォーム・リノベーションの各部工事内訳と費用相場をご紹介します。
基本設計時の概算工事費です(該当しないものは引いて計算してください)。
- 仮設工事:108万円
- 基礎工事:64万円
- 防水・断熱工事:30万円
- 木材費:172万円
- 大工や職人の人件費:376万円
- 屋根・板金工事:77万円
- 左官工事:89万円
- 金属製建具・ガラス工事:60万円
- 木製建具工事:68万円
- 内外装工事:82万円
- 塗装工事:50万円
- 雑工事:26万円
- 電気設備工事:99万円
- 照明器具:20万円
- 換気設備工事:9万円
- 給排水給湯設備工事:88万円
- 衛生器具設備工事:93万円
- 浄化槽工事:90万円
- 解体処分費:142万円
- 諸経費:160万円
合計:1903万円
(特定非営利活動法人日本民家再生リサイクル協会「民家再生の技術」参照)
また、別の古民家再生・リフォーム・リノベーションの費用相場もご紹介します。
実勢設計時の概算事例です。
【現地再生で木造2階建ての場合】
- 建築面積:116.78㎡
- 延べ面積:159.84㎡(48.25坪)
- 直接工事費:2857万円
内訳は、
- 共通仮設:20万円
- 直接仮設:175万円
- 基礎工事:101万円
- 断熱工事:59万円
- 木工事:929万円
- 屋根工事:133万円
- 板金工事:120万円
- 石・タイル工事:32万円
- 左官工事:45万円
- 金属製建具:95万円
- 木製建具:98万円
- ガラス工事:33万円
- 内外装工事:34万円
- 塗装工事:37万円
- 雑工事:254万円
- 電気設備:98万円
- 給排水衛生設備:319万円
- 諸経費:275万円
となっています。
また、移築再生の費用相場もご紹介します。
【移築再生で木造2階建ての場合】
- 建築面積:109.9㎡
- 延べ面積:104.18㎡(31.45坪)
- 直接工事費:1523万円
内訳は、
- 共通仮設:25万円
- 直接仮設:72万円
- 基礎工事:128万円
- 断熱工事:24万円
- 木工事:575万円
- 屋根工事:103万円
- 板金工事:44万円
- 左官工事:35万円
- 金属製建具:65万円
- 木製建具:55万円
- ガラス工事:24万円
- 内外装工事:25万円
- 雑工事:19万円
- 電気設備:39万円
- 給排水衛生設備:190万円
- 諸経費:99万円
となっています。
(建築数量積算基準・同解説、大成出版社参照)
古民家の各部リフォームの費用の相場は?
古民家再生の各部リフォームの費用の相場もご紹介します。
- 洗面所:25~55万円
- 浴室:90~160万円
- トイレ:25~60万円
- キッチン:60~200万円
- 手すりの設置:6~14万円(1ヶ所につき)
- 床の段差の解消:3〜25万円(1ヶ所につき)
- 床暖房:約6万円/㎡(※温水式の場合、+約25~100万円で熱源機設置も必要)
- 温水式床暖房:約6万円/㎡+熱源機設置約30万~120万円
- 薪ストーブ、ペレットストーブ:40~70万円
- 断熱材を入れるリフォーム:6000~35000円/㎡
- 間取り変更リフォーム:50~400万円
- 外壁リフォーム:70~400万円
- 屋根リフォーム:70~300万円
- 耐震リフォーム:50~300万円
となっています。
ご自身の古民家再生・リフォーム・リノベーションをする部分の参考にしてください。
古民家の内装リフォーム費用の相場は?
古民家再生の内装リフォームの各箇所の費用の相場をご紹介します。
- 内装工事費用は3~5万円/㎡
- 内装の解体費用で150~200万円
- 6畳間の場合、畳張り替えで5万円前後・フローリングへの張り替えで15万円前後
となっています。
また、古民家再生の水回り設備のリフォーム費用の相場もご紹介します。
- トイレ設置の工事費用:20~30万円(トイレ本体込み)
- 既存トイレの解体処分費用:2~4万円
- 洗面台設置の工事費用:30~40万円(洗面台本体込み)
- 既存洗面台の解体処分費用:5~7万円
- ユニットバス設置の工事費用:150~200万円(ユニットバス本体込み)
- 既存浴室の解体処分費用:10~20万円
- LED照明の工事費用:2~3万円
- 断熱天井の工事費用:4~7万円
- ミストサウナ工事費用:20~30万円
- 浴室暖房や乾燥機の工事費用:30~40万円
- ジェットバスの工事費用:20~30万円
- 浴室に窓をつける工事費用:5~6万円
- 浴槽の素材交換の工事費用:10~15万円
- 給排水管の延長工事:3~5万円
- 浴室の内装工事費用:3000~5000円/㎡
- 浴室内の壁の新設工事:10~15万円
- 浴室内の壁の解体工事:5~8万円
- システムキッチン設置の工事費用:120~200万円(システムキッチン本体込み)
- キッチンのスライド収納:10~20万円
- キッチンのレンジフード:10~20万円
- キッチンの浄水器付き水栓金具:3~5万円
- 食洗器:20~30万円
- キッチンの電気配線工事費用:3~5万円
- 給排水管の工事費用:3~5万円
- 給排水管の移設配管工事:10~30万円
- 既存キッチン解体処分の費用:8~10万円
- 公共下水が通っていない古民家は浄化槽の埋設工事:30~40万円
- ガス元栓の工事費用:2~3万円
- 排気ダクト延長工事費用:8万円
- 電気配線の工事費:3~5万円
- 給排水管の工事費:3~5万円
となっています。
ご自身の古民家再生・リフォーム・リノベーションの参考にしてください。
古民家の耐震工事の費用の相場は?
古民家再生の耐震改修工事・耐震補強工事の費用相場をご紹介します。
耐震工事の相場は約50〜300万円です。
具体的な耐震補強工事内容と、その工事費相場は、
- 古民家の基礎部分の耐震補強工事は1坪あたり約15~20万円
- 金属物による耐震補強工事は1坪あたり約10~15万円
です。
古民家の耐震工事には補助金や助成金が使える
古民家の耐震性を高めるリフォームやリノベーションに使える助成金や補助金があります。
各自治体によって助成金や補助金の内容が違いますので、該当地区の自治体に問い合わせてみることをおすすめします。
多くの助成金や補助金は旧耐震基準の昭和56年5月31日以前に建築された木造住宅に該当します。
ただし、補助金や助成金によってはリフォーム・リノベーション業者を地元業者に限定されてしまったり、リフォーム・リノベーション後の古民家の用途に条件がつけられることもあるので、人によっては非常に使い勝手が悪い場合もあります。
また正直、古民家再生・リフォーム・リノベーションの助成金や補助金の申請は非常に面倒くさいですし、すべてが対象になるわけではなく審査があります。
その結果、補助金や助成金がおりないこともあります。
また、当然補助金や助成金には上限があります。
内容によってはあまり大きいお金がもらえない補助金・助成金もあります。
各地方自治体が用意している、古民家の耐震工事の補助金や助成金の相場は30~120万円くらいです。
古民家の屋根リフォーム費用の相場は?
古民家の屋根リフォームの費用相場は約70~300万円です。
※ただし、かやぶき屋根の張替は1000万円を超える高額工事になります。
一般的な古民家の屋根リフォームの費用相場をご紹介します。
- 瓦1枚の交換:1~2万円
- 屋根の補修工事:1ヶ所当たり1万円
- 瓦屋根を化粧スレート屋根に葺き替え工事:5000~7000円/㎡
- 瓦屋根をガルバリウム鋼板屋根に葺き替え工事:10000~15000円/㎡
となっています。
古民家をどのような屋根にリフォームするかによって費用が変わってきます。
古民家の屋根塗装リフォームの費用の相場は?
古民家の屋根を塗装する塗料にはフッ素樹脂塗料、シリコン樹脂塗料、ウレタン樹脂塗料、アクリル樹脂塗料があります。
それぞれの塗料によってリフォーム相場が違ってきます。
- フッ素樹脂塗料は6000~8000円で、耐用年数は15~20年
- シリコン樹脂塗料は5000円~7000円で、耐用年数は12~15年
- ウレタン樹脂塗料は3000円~5000円で、耐用年数は8~12年
- アクリル樹脂塗料や2000円~4000円で、耐用年数は5~8年
屋根のリフォームですから、塗料以外にも費用がかかります。
屋根の広さや塗料にもよりますが、塗料を塗る工事費が約15~50万円かかります。
その他かかる費用は、
- 下地調査費用:10~15万円
- 建物の養生費用:5~10万円
- 足場の設置費用:20~30万円
- 屋根の洗浄費用:4~6万円
- 防水塗料を塗る工事費:5000~7000円/㎡
となっています。
また、雪国の古民家の屋根のリフォーム・リノベーションは融雪の屋根にする方法もあります。
融雪の屋根は、屋根に電熱シートを貼るタイプや、屋根に水を流すタイプがあります。
- 地下水を汲み上げて屋根に流すタイプ:約2~3万円/㎡
- 電熱ヒータータイプ:約6~9万円/㎡
- ガス・灯油ボイラータイプ:約4~6万円/㎡
屋根の広さやどのタイプを採用するかにもよりますが、融雪屋根の費用は古民家につき150~200万円くらいです。
古民家の外壁塗装の費用の相場は?
古民家再生の外壁塗装の費用の相場をご紹介します。
外壁の広さや塗料にもよりますが、30~50万円と言われています。
それ以外にかかる費用は、
- 養生費用:5~10万円
- 足場の設置費用:15~20万円
となっています。
ご自身の古民家再生・リフォーム・リノベーションの参考にしてください。
古民家再生・リフォーム・リノベーションの事例
古民家再生・リフォーム・リノベーションの事例をご紹介します。
神奈川県の古民家再生の事例
神奈川県の築70年の古民家の耐震工事とリフォームの事例です。
耐震性が弱い古民家でしたので、耐震補強工事をしました。
メインの居間は囲炉裏の雰囲気も良かったためそのまま残しました。
また、床暖房を入れて、壁と屋根に断熱材を入れることで冬でも暖かくなりました。
柱や梁は比較的状態が良かったため、金属による補強をした程度でした。
工期は70日で、工事費用は1100万円でした。
千葉県の古民家再生の事例
千葉県の築85年の古民家再生の事例です。
基礎部分の柱や梁が雨漏りで傷んでいたため補強をしました。
壁や屋根に断熱材をいれる工事もしています。
古民家の良さである間取りは基本的にはそのままにしました。
逆に古民家のデメリットであるキッチン、トイレ、風呂など水回りを現代の設備にして使いやすくしました。
今までは水回りが母屋から離れていたため、とても使いにくかったのですが、生活動線を考えて使いやすくしました。
工期は80日、工事費用は1030万円でした。
京都府の古民家移築再生の事例
京都府の築80年の古民家を移築再生した事例です。
主には外壁塗装と、基礎部分(柱や梁)が少し傷んでいたため補強工事をしました。
また、内装にこだわりたいということで、内装工事にかなり重きを置きました。
行った工事とその内訳は、
- 大工人件費:550万円
- 基礎工事:200万円
- 仮設工事(足場設置):40万円
- 木材費:300万円
- 木製建具の建具補修:45万円
- 塗装工事:40万円
- 内装工事:40万円
- 住宅設備工事:25万円
- 給排水工事:80万円
- 電気工事:70万円
- 瓦屋根工事:210万円
- ガス工事:40万円
- 外壁漆喰の左官工事:180万円
- アルミサッシ工事:70万円
- 板金工事:35万円
- システムバス工事:40万円
- システムキッチン工事:60万円
- 雑工事:35万円
- 諸経費:130万円
合計:2190万円
でした。
古民家の移築再生はやはり現地再生より費用がかかります。
築100年以上の古民家再生費用の相場は?
築100年を超える古民家再生・リフォーム・リノベーションは、古民家が現在の建築基準法と大きく違う事例が多いです。
耐震性や防火性を現代の水準にするには構造体・基礎部分の補強が必要となります。
築100年を切る古民家よりもリフォーム・リノベーション費用が高くなることもあります。
現地再生でも2000万円以上の費用がかかる事例もあります。
古民家に強い職人・大工さんの減少で工事費が高騰
現代は古民家を直せる職人や大工さんが減っています。
若い職人さんや大工さんが古民家に興味をもち、勉強しているのは事実ですが、そもそも職業の中で建築業界自体が今の若者には不人気の就職先のため、今後は古民家を工事できる職人さんや大工さんが減っていく傾向にあります。
職人さんや大工さんが減るということは、それだけ貴重な存在となるため費用は高くなります。
人手不足による工事費の高騰が過熱する前に古民家のリフォーム・リノベーションをしておくことも重要です。
古民家再生費用を抑えるには?
古民家再生・リフォーム・リノベーションは費用が高額になりがちです。
工事費用を抑える方法をいくつかご紹介します。
- 補助金や助成金を活用する
- 売却できる古材や建材があれば売却して工事費用に充てる
- 生活するのに広すぎる古民家は減築する
などが有効です。
ただし、古材売却は「ただ売れれば良い」ということではありません。
古材によっては再生後も使える建材もあるので、売却することが目的になってはいけません。
古材を再利用することで、工事費自体を抑える効果もあります。
古民家の相続対策も忘れずに
古民家再生をするときは、相続について考える良い機会です。
- 古民家は誰が相続するのか?
- リフォームしたあとの評価額はいくらになるのか?
- 評価額が変わることで相続税が発生しないか?
- 相続が不公平になっていないか?(誰か1人だけがトクをして他の相続人が損をしていないか)
- 相続税の納税資金はあるか?
など、考えておくことはたくさんあります。
私も実家の古民家再生・リフォームの際に、相続対策をしましたよ(^^)
相続や空き家の売却については一般社団法人相続ファシリテーター協会の、
「相続税の基礎控除額は非課税枠のこと!税金計算と6つの節税方法」
「空き家の相続の問題!売却や活用の税金控除や放棄後の管理義務」
が参考になりますので、読んでみてください(^^)
リフォーム業者ではない第三者の古民家再生の相談窓口
リフォームやリノベーション業者によるトラブルが跡を絶ちません。
古民家再生は高度な技術・知識が必要な、難易度の高いリフォーム・リノベーションです。
一般の工務店・業者には工事ができません。
ところが、リフォーム工事案件を取りたい業者は「うちは何でもできますよ!」と営業してくるところもあります。
そうした業者にリフォーム・リノベーションを頼んでしまうと、古民家診断や調査が甘かったり、工事技術がなくて、手抜き工事や欠陥住宅になってしまうリスクがあります。
どの工務店・業者に相談しても「うちは良いですよ!」としか言わないため、どこに相談していいのかわかりません。
そうしたときに有効なのが「工事業者ではない、第三者の古民家再生の相談窓口」に相談することです。
こうした第三者機関は工事をしないため、相談者の立場にたって古民家再生・リフォーム・リノベーションの相談にのってくれます。
「古民家再生・リフォーム・リノベーションに失敗したくない」という方は、こうした信頼できる第三者の相談窓口を有効活用しましょう。
あなたの参考になればうれしいです(^^)